第1章 冒険は手紙から
いつも通りの毎日。あっという間に過ぎた10年間。 大変なことも多かったけど、総じてみれば楽しかったな。 家に帰って、仕方ないけど雑に投函された手紙を仕分ける。 これは父の、母の… そして私宛の1通の手紙。 私宛?珍しいこともあるもんだ。 手紙が来る覚えなどない、退学のお知らせかな? 時々授業中にキィーッて雄叫びをあげるのが いけなかったかな… いや違う。どこからだ? ホグ…ワート?ツか。 “Hogwarts” |
聞いたことない。 イタズラか何かか?だとしたら受けて立つ!かかってこい。 … いや違う。 『ホグワーツ魔法魔術学校の入学を許可します』 なんだって?魔法?魔術? 魔法が使える?学ぶ?ってこと?学校だもんな。 どういうこと? そう思っているうちに12時の鐘がなった。11歳だ。 すると読んでいる手紙に吸い込まれ、 目の前が真っ暗になった。 |
目を覚ますとそこは普通のカフェだった。 でも何か違和感を感じる。 本は宙に浮いているし、 手を使わずにスプーンを回している。 棒?を振っている女の人… これってもしかして…魔法…なのか? 「新入生ですね。こちらです。」 そう黒いマントを着た人に言われ、 ついていくとそこは行き止まり。 かと思いきや、徐にレンガを叩き始めた。 ガタガタガタガタガタ….. そこはそう。 ダイアゴン横丁 |
魔法界のショッピングパーク?
なんだここは! 魔法の世界のショッピングパーク?! いやそんな雰囲気じゃない。 どちらかというと市場のような、商店街のような… すると黒いマントを着た人はこう言った。 「ここで必要なものを揃えたらまた声をかけてください」 いや待て待て。 RPGゲームか?笑 ある条件をクリアしないとダメみたいなそういうノリ? 半信半疑、いや言うなら微信多疑(びしんたぎ)※造語です とりあえず、手に持っている手紙を読む。 |
必要なもの… 1.ローブ(Uniform) 2.教科書(Books) 3.杖(Wand) …随分とたくさん必要だな。 ふくろう、または猫、またはヒキガエルを持ってきてもよい フクロウとかヒキガエル!? そうして私はヒキガエルを迎え入れた。 結構可愛いもんだ。ゲコッ🐸 そしてこう名付けた。 「がぎぐげご」略して「が行」 うん、可愛い! |
さて、一通り買えたことだし、報告しにいくか。 なんかすごい1日だな。 魔法… 悪くないかも。楽しみになってきた。 足取りは軽かった。 そんな姿をグリンゴッツ銀行前に置かれた”それ”が じっとこちらを見ていた。 (…なんだあれ。 売り物…?じゃないよな…) つづく |