
この物語は「ホグワーツでも私は私」のお話の続きです。
もし「ホグワーツでも私は私 -1」「ホグワーツでも私は私 -2」をまだお読みでない方は
ぜひ先にそちらをお読みください。
第5章 そこは湖の中
「僕についてきて、離れないように」 監督生の先輩がそう言いながら談話室に歩いて行く。 見るもの全てが初めてだ。 迷路のような道、お化け、動く階段… 「階段はじっとしていないから気をつけて」 そう言われたが、どうやって!? 現に今も動いている… 「さぁもうすぐだよ」 そこは暗くてじめっとしていた。 | ![]() |
![]() | 「さぁここが君たちの談話室だ。 いい?男子寮女子寮間違えないように。 自由に使ってもらって構わないけど、 棚に置いてあるものとかに触らないこと」 そうして自分の部屋に行こうとすると、 窓を横切る黒い影が横目に入った。 「お、巨大イカだね」 そう言いながら監督生は去っていった。 明日からはもう授業が始まる。 そのための準備をしよう。 そう思いながら寝室へ行くと、 ベッドに倒れ込んだ。 窓に打ち寄せる湖の水音が 静かに寝室に響いていた。 |
第6章 全てが初めまして
理科の実験みたいな授業が始まった。 「まずは目の前にあるものを使って おできを治す薬を作ってみなさい」 最初から!? これみんなできるものなのか…? 教科書を見ながら恐る恐る調合してみる これは合っているのか。 分からないままぐつぐつと鍋の中で渦を巻いている 煙も出てきた。ずっと煙が出続ける大鍋。 あまりにも恥ずかしくなって、 その大鍋をじっと見守ることしかできなかった。 多分私は魔法薬学が苦手だ | ![]() |
![]() | 結果とても怒られた。それもこっぴどく。 減点されなかっただけよかった。 結局あの大釜は溶けてしまい、 使いものにならなくなった。 何がいけなかったのかも分からない。 とりあえず図書館にヒントがある、 みたいなことを周りの子が言っていたので探してみた。 本ありすぎじゃない…?この中から探すの? あんな上の本どうやって? もう何もかもが初めてだ。でも意外と嫌いじゃない。 これからもっと勉強して、監督生になってやる! まさかこの発言をしている自分が、 “監督生にはなりません”と断るなんてまだ知らない。 |